CloudflareとGmailを連携させて低コストでカスタムメールドメインのメールアドレスを手に入れる
個人事業主でも自分だけのメールドメイン(カスタムメールドメイン)が欲しいですよね?よね?ぼくは欲しいです。ビジネスの話をするのに「〜@gmail.com」とかいうメールアドレスだといまいち格好よくありません。ビジネスを行うのであれば、自分だけのドメインでウェブサイトやメールを運用し、ブランド力を上げたいところです。
今回は、CloudflareとGmailを連携することで、低コストでカスタムメールドメインを得てメールを運用する方法を説明します。
1. 概要
カスタムメールドメインでメールを運用するためには、ふたつ用意するものがあります。ドメインとメールサーバーです。
ドメインはCloudflareをはじめとしたレジストラから登録することができます。1年ごとに課金されます。Cloudflareは何故か上乗せ価格がないため、ぼくはここを利用しています。権威ネームサーバー(いわゆるDNSサーバー)もCloudflareを利用していれば、なにも考えなくてもマウスをぽちぽちしてるだけでドメインを管理できます。完全にCloudflareに魂を売っています。
メールサーバーはレンタルサーバーを借りるのが一般的でしょう。が、維持費がかかってしまいます。月1000円くらいかそれ以上です。
ぼくは普段はgmailを使ってメールの送受信をしています。無料で15 GByteまで使え、webメールクライアントやスマホアプリのクライアントなど、様々なところで同じメールボックスにアクセスすることができ便利です。
今回は、Gmailの使い心地を維持しながらカスタムメールドメインのメールアドレスでメールを送受信する方法を説明します。Cloudflareでドメインの維持管理とメールのGmailへのルーティングを行い、GmailがSMTPサーバーとwebメールクライアントの役割を果たします。
2. CloudflareとGmailの連携手順
手順1: Gmailに新たにアカウントを作成する
まずは、メールを送受信するクライアントとなるwebメールのアカウントを入手します。新たに入手したほうが良いでしょう。Gmailだと無料です。Gmailアカウント登録のための公式ドキュメントに従い新しいアカウントを作成し、メールが送受信できることを確認してください。
手順2: Cloudflareでドメインを登録し権威DNSサーバーで管理する
Cloudflare Registrarで新たなドメインを登録し、Cloudflare DNSに管理してもらいます。Cloudflareのアカウントを作成したのちに、ドメイン登録手順の公式ドキュメントに従い登録します。引き続き、DNSSECを有効化するのが良いでしょう。また、他のレジストラから得たドメインを移管する方法もあります。これらのドキュメントは英語ですが、ブラウザの翻訳機能を使えば問題なく読めます。
手順3: 登録したドメイン宛てのメールを作成したgmailアカウントへルーティングする
Cloudflare Email Routingを使い、カスタムメールドメインのメールアドレスを作成します。メールルーティングの有効化ドキュメントに従って作業してください。この時点で、カスタムメールドメインのメールアドレスにメールを送ると、Gmailに作ったアカウントにメールが届きます。
手順4: Gmailでカスタムメールドメインのメールアドレスからメールを出せるようにする
手順3まで終えた段階では、Gmailからメールを作り送信した場合、FromはGmailのアカウントになります。Fromを手順3で作成したカスタムメールドメインのメールアドレスにする手順が必要です。別のアドレスからメールを送信する手順に従い作業してください。SMTPサーバーはsmtp.gmail.comを使います。ユーザー名はGmailのアカウント名そのものです(ほにゃらら@gmail.com)。パスワードはGmailアカウントのパスワードではありません。アプリパスワードと呼ばれるものが必要です。アプリパスワードでログインするドキュメントに従い、アプリパスワードを入手してください。この時、Googleアカウントは二段階認証が有効になっている必要があります。
手順4が一番面倒です。アプリパスワードで随分はまりました。この設定が終わると、Gmailからカスタムメールドメインのメールアドレスでメールを送信できます。
3. おわりに
以上の手順により、カスタムメールドメインのメールアドレスが使えるようになります。思う存分ご利用ください。維持費はドメイン維持にかかるコストくらいで、年1000円程度でしょう。手順は面倒ですが、一度設定してしまえばサーバーの管理はほとんどお任せになるのでとても快適です。
また、Cloudflareにアカウント作っただけで、Cloudflare Pagesというフルスタック開発プラットフォームの無料版が利用できます。これを使えばカスタムドメインのwebサイトの運営が無料でできるようになります。htmlファイル群をzipにまとめてアップロードする手法もありますし、GitHubやGitLabと連携する手法もあります。ぼくが前のポストでまとめたWordPressを静的サイトに変換する手法もあわせてご利用ください。