個人事業主が開業前後にやることリスト

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ぼくは屋号lulliecatとして開業し業務を始めています。開業前後に決定や申請したこと、これから申請することなどをリストアップします。これから開業する人の参考になれば幸いです。

1. 屋号やブランド名を決める

名前は重要です。何か開業してやることを決めたあとは、まず前もって名前を決めておくと、名乗ったり申請したりするときに迷うことがなくなります。

必須ではありませんが、税務署に開業届を出す際に屋号を書く欄があり、書き込むことも可能です(書かなくても良い)。また、屋号を開業届で申請していると、銀行に屋号付きの個人口座(「屋号 – 本名」みたいな口座名義になる)を作ることができます。他の業者と取引するときに個人名義よりは安心感を相手に与えるでしょう。ただ、単なる安心感だけですので必須ではありません。

なにかものを作って売る場合は、ブランド名も必要になります。AmazonのECサービスでは、ブランドを持っていると、そのブランドに特化したページを作成できるようです。商標登録は必要になり、5万くらいかかりますが、出しておいた方がいいとぼくは考えています。

2. 開業届を税務署に提出する

後回しでも良いのですが、開業届の作成はそれほど難しくないため、さっさと出すのが良いでしょう。提出書類は紙1枚分で、費用もかかりません。開業届に記入して所轄の税務署に提出します。自分で開業届を手に入れて書くこともできますし、Money Forward クラウド開業届などで書類を作ることもできます。Money Forwardのアカウントが必要になりますが、書く内容があやふやでも書くべき項目を指示してくれる上に、e-tax経由で税務署に行くことなくオンラインで開業届を提出できるのでおすすめです。なお、オンラインで提出するには、e-taxの利用者識別番号が必要です。e-Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナーから開始届出書を提出し利用者識別番号を入手することができます。

3. 銀行口座を作り開業資金を振り込む

普段の生活で使用している銀行口座とは別に、銀行口座を開設する必要があります。確定申告を青色申告で行うために便利になるからです。

確定申告とは、前年の所得を計算し、所得税額を確定させるための申告です。確定申告には、青色申告と白色申告のふたつが存在します。青色申告の方が白色申告より所得税が少なくなるのですが、申告のための帳簿をつけるのが面倒です。

少しでも青色申告をやりやすくするためには、業務用の独立した口座が必要です。青色申告では、口座のすべての入出金を帳簿につけないといけないからです。生活に利用している口座で済まそうとすると、生活のための入出金まで全部帳簿につけないといけなくなります。これは本来申告のためには不必要な帳簿のはずです。余計な帳簿をつけないためにも、業務用の口座は生活用の口座とは別に開設した方がいいでしょう。 

なお、ぼくは業務専用の口座を作らず、普段使いの口座で取引してしまったため、青色申告をするには500件以上の入出金の記録を取らねばならなくなりました。さすがに初心者には無理な気がしているので、今年分は白色申請をします…

ぼくは楽天銀行に個人用の口座を開設しました。スマホだけで登録が完結するのでとりあえず作りました。また、楽天銀行では屋号付きの口座を別に作ることも他の銀行より容易です。個人用口座を作ったのちに、開業届のコピーを郵送するだけで完結します。他の銀行では対面での手続きが必要で、営業している実態がわかる書類(公共料金領収書や納税証明書など)も必要です。

また、ぼくは最初は業務委託で個人事業主をはじめたため、開業資金はゼロでした。開業資金が必要でしたら、口座に振り込んでおきましょう。

4. クレジットカードを作る

銀行口座のときと同じ理由で、クレジットカードも生活のためのカードとは別に作ります。ぼくは三井住友カード ビジネスオーナーズ 一般カードに加入しました。iDを使いたかったからです。ただ、冷静に考えると事業でiD使う場面なさそうですね…年会費無料なので困ることはないと思います。

5. 会計ソフトを導入する

確定申告をするために、ぼくはマネーフォワード クラウドにアカウントを作り銀行口座とクレジットカードを登録しました。これで、青色申告や白色申告が楽になる、らしいです。まだやったことがないのでわかりません…別のサービスでも良いと思います。また、白色申告をするだけならば、それほど難しくないらしいので、このようなサービスに加入する必要はないかもしれません。

登録したのはマネーフォワード クラウドのフリープランを使っています。無料で年間50件まで仕分け可能で、白色申告はできるようです(未確認)。青色申告する場合はパーソナルプランで月額1680円です。年額だと少し安いので、来年は1年登録しようと考えています。

6. 商標登録を申請する

商標登録の審査には5〜9ヶ月もかかるらしいので、ブランドを作る場合ははやめに商標登録を出しておくのが良いでしょう。ただ、例えばAmazonのセラーでブランドを登録するときは、申請中だということが分かれは良いみたいです。商標登録の審査が終わってなくてもAmazonのブランドページを作ることができます。また、実際には並べる商品がないとAmazonでのブランド登録はできないので、そこまで急ぐ必要はないかもしれません。

これらの名前は、既存の名前と重複しないものを選ぶ必要があります。特に商標は類似しているだけでも審査に落ちる場合があります。特許情報プラットフォームで商標の重複がないか調べると良いでしょう。類似については調べるのは大変かもしれません。

商標登録の申請自体は、web上で必要事項を入力するだけで書類を作成の上代理で特許庁に出しに行ってくれるサービスがいくつかあります。ぼくはCotoboxというサービスを使いました。申請だけで2万3千円かかります。うち特許庁に提出する際に必要な特許印紙代が1万2千円です。実際に登録される時にも費用がかかり、合計5万くらいなはずです。

自力での申請のしかたも公開されているので、自分で書類を作って特許庁に送付したりweb上で申請するのも良いでしょう。先ほどのCotoboxでは、ざっくりした類似検索はしてくれますが、その他は書類作成と区分をまとめてくれる程度の作業だけしてくれました。なので、自分でできる方も多いと思います。

ブランドのロゴを一緒に作っておくのも良いでしょう。名刺やウェブサイトに掲載できます。ぼくはKaito Designさんのロゴ作成パッケージを利用しました。丁寧に作業してくれ、素晴らしいロゴを作ってもらえたので感謝しています。

ちなみに、商標登録は文字だけではなく、ロゴでも登録が可能なそうです。今回はぼくは文字で登録申請しました。

7. カスタムドメインを取得しウェブサイトを立ち上げる

あなたがブランドを持つつもりならば、カスタムドメインを使ったウェブサイトを立ち上げることをおすすめします。ブランドを説明するのに便利ですし、屋号付きの銀行口座の開設にも少しだけ有利になります。

ただし、カスタムドメインとウェブサイト開設は必須ではありません。ウェブサイトやカスタムドメインの維持にはお金と手間がかかります。特にセキュリティに気を配らねばなりません。知識がない場合はウェブサイト作成・運営サービスを使う必要もあり、ますますお金がかかります。おそらくウェブサイト作成だけで10万ほどかかります。難しい場合は無理はしない方が良いでしょう。

ぼくは元ハードウェアエンジニアでこういう作業は慣れているため、WordPressでウェブサイトを作りました。年間1万円くらいで運営します。手間さえ厭わなければもっと減らすこともできます。

8. おわりに

以上が、ぼくが開業前後に行ったことです。手探りでやってきたのでかなり手順が悪く手間取りました。もっと必要なことがあればこの記事に追記していく予定です。